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教えて!母乳育児のキホン

母乳育児について、「母乳が足りている」「母乳が足りていない」などの正確な判断は、助産師・医師が行う診断となります。このサイトに掲載されている内容は、少しでも母乳育児の誤解をなくし周囲の様々なアドバイスに惑わされず、「知っていればあわてない」ことや「不安を和らげる」ことを目的としています。下記内容に即していても、「足りていない」「出すぎている」場合もありますので、赤ちゃんの様子をよく見て、助産師や医師に相談するようにしましょう。

母乳育児とは、「母乳を飲ませて赤ちゃんを育てること」です。必ずしも「完全母乳」を指した言葉ではありません。足りないからといって、母乳をあげることをやめる必要はありません。長く母乳をあげられるよう、しっかり母乳のことを知っておきましょう。

量・回数について

量・回数について

  • 授乳回数・間隔の目安について
    母乳の回数は、一日8~12回程度といわれています。「授乳は3時間おき」というイメージを抱いている方も多いと思いますが、これはミルクの場合。母乳とミルクは消化時間に差があり、授乳回数も異なってきます。
    母乳とミルクの回数や間隔に大切なポイントはこれ!

    母乳はほしがったら何度でもOK
    ミルクの間隔は3時間(以上)あける

    ミルクを一度にたくさん飲ませるのはやめましょう。完全ミルクの場合も、3時間おきに「少量頻回(少ない量を回数多く)」を心がけ母乳と同じような授乳リズムを作ってあげることがよいでしょう。
  • 母乳育児とミルク
    ~混合授乳って?~
    母乳育児にミルクは不要!と考えている方も多いでしょう。でも、どんな理由でミルクを利用するかわからないので、きちんと知っておくことが大切です。ここでは、母乳とミルクを併用する方法(混合授乳)をご説明します。

    混合授乳とは、母乳とミルクを両方飲ませることです。混合授乳には大きく二つの方法があります。

    1. まずは母乳を飲ませて、足りない分をミルクで補う。これで1回の授乳が終了。
    2. 今回の授乳は母乳のみ。次の授乳はミルクのみ。どちらかだけをあげて1回の授乳が終了。

    よく耳にするのは、寝る前は2の方法でたっぷりミルクをあげて、朝までぐっすり寝てもらおうというもの。しかし、母乳育児を成功させたい方にはお勧めできません。夜は母乳が多く生産される時間です。夜中に起きて授乳をするのはつらいかもしれませんが、たくさん作り出す夜に授乳をしないと、あなたの身体は「いらないの?」と思い、作り出すことをやめてしまいます。母乳は「吸われて作られる」もの。混合授乳の場合は1の方法で、まずは母乳を吸わせること。「夕方は出にくいから・・・」というママも、補うミルクを準備して、まずは「吸わせる」。そのとき、左右のおっぱいを両方吸わせること。そして、ミルクの間隔3時間の間にほしがる場合は、おっぱいのみということも忘れずに!

    足りない分を補うミルクの量の目安は、退院~1ヵ月くらいまでは、40-80ml程度。でも赤ちゃんが自分で飲む量をコントロール出来るようになるのは、生後1ヵ月半くらいといわれていますので、飲んだ後に吐き戻しが多かったり、むずかったりするようであれば、量を減らしてみてください。1ヵ月以降の量については、ママの母乳の出、赤ちゃんの体重など個人差が大きく影響します。1ヵ月健診のときに、助産師さんに相談するようにしましょう。
  • 母乳のこと
    ~授乳時間は楽しい?~
    母乳の栄養がいかに優れているか、それは皆さんも母親学級などでお勉強したと思います。ここでは難しいことは抜きにしてポイントをまとめます。

    1.感染防御(免疫力)
    2.消化・吸収
    3.赤ちゃんの口腔周辺の発達
    4.ママの産後の身体の回復
    5.母子のスキンシップ

    もちろん、様々な理由で母乳が出ない場合でも赤ちゃんが立派に成長できるように、ミルクの成分も研究されていますので、ご安心ください。ここではせっかく出るおっぱいを無駄にしてほしくないという思いで、母乳のよさを伝えています。3の口腔周辺の発達については、ミルクを飲ませる哺乳びん選びがポイントになります。しっかりお口が動かせる哺乳びんを選びましょう。

    ミルクもメーカーによって、成分の特徴が異なります。しかし価格の違いは、成分の違いというよりも病産院などでの広告宣伝活動の違いが大きいといわれています。

    母乳はすばらしいものです。そのよさを理解しているからこそ、不安に思い、悩むママが増えています。「母乳だけで育てたい」という思いがストレスになり、母乳が出なくなるママもいます。

    まずは「授乳時間が楽しい」と思えることが大切です。母乳でもミルクでも、ママの優しいまなざしで赤ちゃんを包んであげることが出来れば、一番だと思います。
  • 母乳が出ない
    ~出なくなった!?~
    母乳の量については、目に見えないために不安がつきまといます。
    また、ママの体質なども大きく影響しますが、初めての母乳育児の場合は、体質だってわかりません。

    まずは、出にくくなる原因から見てみましょう。
    1. 睡眠不足(疲れ)
    2. 身体の冷え
    3. 水分不足
    4. 食事の栄養バランス
    5. 貧血
    6. ストレス  などなど・・・
    1~4までは、本人も気づきやすいことですし、対処方法もわかりやすいものです。5は、出産時の出血などが原因の場合もありますので、気になる人は専門家に相談しましょう。問題は6です。育児に限らず、ストレスは本人が気づきにくいために万病の元と言われます。母乳育児の場合は、「完全母乳」という思いがストレスになることも。時にはミルクを利用するなど、ガス抜きも大事です。

    育児は授乳だけではありません。毎日の赤ちゃんとの生活すべてが「楽しい」と感じることが出来るよう自分にあったストレスの発散方法を見つけましょう!
  • 母乳が出すぎる
    母乳が出すぎるという人は、コンビ調べではおよそ20%ほどいました。出すぎる原因は、乳腺の発達やホルモンバランスなど体質が大きく影響しているようです。乳腺炎を繰り返すなど、母乳不足とは違った苦労も多く、つらい思いをしているママも多くいます。

    対処方法としては、「冷却」です。 ただし、急激に冷やしすぎないよう注意しましょう。保冷材などを利用する場合はタオルに包むなどして直接肌につけないように。無理に搾乳をすると、さらに作り出してしまうのでお勧めできません。

    乳腺炎になりかけていると、しこりや痛みなどの症状が出ます。さらに悪化すると、高熱を発することがあります。

    授乳が終わってもおっぱいがすっきりしない、なんとなくいつもとおっぱいの感じが違う、しこりや痛みがあるなどの症状がある場合は、助産師さんなど専門家に相談しましょう。
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飲ませ方について

飲ませ方について

  • 飲ませ方
    ~ちゃんとくわえてる?~
    赤ちゃんがおっぱいをくわえるのは、「乳首」と思っている人も多いでしょう。しかし、赤ちゃんが正しくくわえると、乳輪部分までくわえ込むものです。乳輪の大きさは人それぞれですので、全てくわえ込まれる場合と、そうでない場合がありますが、「乳首」だけということはありません。

    赤ちゃんの上あごには、乳窩(にゅうか)と呼ばれる独特のくぼみがあります。そしておっぱいを飲むとき、この乳窩に乳首をおさめるようにくわえます。乳首だけを浅くくわえると、この乳窩まで乳首が届かず、赤ちゃんはおっぱいを飲むことが出来ません。また乳首にも吸われる強い力が加わり、「乳頭亀裂・裂傷・水泡・血豆」などのトラブルが起きます。

    さらに、乳首をくわえるときに、左の写真のように上唇が巻き込まれているような状態も、トラブルの原因です。この巻き込みによって赤ちゃんはうまく飲むことが出来ません。写真は哺乳びんを使用しているものですが、母乳のときも同じです。右の写真のようにしっかり上下の唇が開くように、フォローをしてあげましょう。

  • 飲ませ方
    ~抱っこの方法~
    母乳を飲ませるのに、いろいろな抱っこの方法があることを聞いたことでしょう。これは、いつも同じ抱っこの仕方で飲ませていると、飲まれやすい部分と、飲まれにくい部分が出来てしまい、乳腺炎などを起こしやすくなるからです。

    一般的によく目にする「横抱き」。それ以外に「縦抱き」「フットボール抱き」などがあります。赤ちゃんの抱き方を変えるだけで、まんべんなく飲ませることが出来ます。また、傷ついた乳首で飲ませるときもいつもと飲ませ方を変えるだけで、痛みが軽減する場合もあるようです。
  • げっぷや吐き戻し
    ~げっぷが出ない?~
    母乳やミルクを飲ませた後にげっぷをさせるのは、皆さんご存知ですね。げっぷをさせないと、吐き戻しやきばったりうなりの原因になります。

    特にしっかりくわえ込んだ直接母乳の場合は、げっぷが出にくい傾向にあるようです。授乳の後すぐに横に寝かせてしまうのではなく、まずはげっぷをさせるようにしてください。そして5分経ってもげっぷが出なければ、タオルなどを背中に挟み、少し横向きにしてあげれば大丈夫です。また、げっぷのときの姿勢も、赤ちゃんによって向き不向きがありますので、出やすい姿勢をいろいろ試してみてください。
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その他

その他

  • トラブルの相談先
    母乳育児には、様々なトラブルがあります。どうしても、ママだけではどうにもならないとき、誰に相談すればいいのでしょう?

    まずは妊娠中から出産する病産院では、どのような産後の母乳ケアがあるのか知っておきましょう。対応してもらえる曜日や時間、具体的にはどんな相談が可能なのか、など詳しく知っておけば退院後も安心して過ごすことができます。また、産後ケアが整っていない病産院や里帰りで地域が変わってしまう場合には、紹介してもらえるか、おすすめがあるかなどを確認することも忘れずに。

    母乳ケアに特化した施設や、地域の助産院なども頼りになる存在です。

    大切なことは、自分が信頼できるところで、信頼できるケアを受けられること。相談に行くことがストレスになるという話も聞きます。あなたに合ったケアを一緒に探してくれる、そんなところが見つかるといいですね。
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教えて!母乳育児のキホン 授乳の量や回数、飲ませ方についてなど